街を楽しく演出する仕組み
ヨーロッパを訪れて広場空間の心地よさを感じる人が多いと思います。スペインにおいても、車を避けながら、少しの演出方法で市民の憩いの場を大切にしている光景をそこかしこに見かけます。乾燥した気候条件の中でも緑が大切に扱われていることや、周囲の建物の配色も、例えばピンクがかった外壁の色彩も決して嫌味を感じないのは何故でしょうか。
バルにしてもレストランにしても、みんな外のテラスでくつろぐのが好きです。まちの広場や街角には石のベンチなどがあり、お年寄りの方々などはそこでおしゃべりを楽しみますし、若い人達はながながと立ち話をしています。そこには、屋外空間は、そこに暮らす人達共有のものだという意識があるように思えてなりません。
バルにしてもレストランにしても、みんな外のテラスでくつろぐのが好きです。まちの広場や街角には石のベンチなどがあり、お年寄りの方々などはそこでおしゃべりを楽しみますし、若い人達はながながと立ち話をしています。そこには、屋外空間は、そこに暮らす人達共有のものだという意識があるように思えてなりません。
マドリーの下町で偶然見つけた風景です。やや下り坂の正面の教会堂がアイストップとなっています。その教会堂に対して、パースペクティブな景観を際だたせる街路樹と、2階建ての建物。何気ない光景ですが、教会堂を意識しながら、高さや色彩、建物のデザインが、過度に突出せずに調和していることにある種の美意識を感じます。法的なコントロールがなされているのかもしれませんが、敷地単位に何の共通項もなしに、自由な表情の建物を建ててしまう、わが国の戦後に蔓延した変な自由意識の良し悪しを強く感じてしまいます。この景観は、時代を継承する共通意識が創り上げた、文化的な表情なのかもしれれません街中に出てみるとスペイン人の生活の一端が凝縮されています。
異邦人のわれわれもスンナリと街角の景色に溶け込んで見ませんか。